栃木県足利市の中小企業を中心に、5S実践活動をしています。

  第8回 整列と整頓①

◆整列とは…

今月は、既に何度か書いてきました、4Sの言葉の中には含まれていない「整列」について
述べてみます。1978年初版で、2009年では既に新版29刷まで発行されている、「トヨタ
の現場管理」(門田安弘著・日本能率協会)という本の後半に整列について、「いらない物
を処分することが整理であり、欲しい物がいつでも取り出せることを整頓という。ただきち
んと並べるだけなのは整列であって、現場の管理は整理整頓でなければならない」とありま
す。初版の発売間もなくこの本をむさぼり読みましたが、30年以上経った今も新鮮なのには
常に驚かされています。とにかく、この本の中のたくさんのことが心に響いていますが、上
記の言葉もその中の1つです。それ以降、整列ではいけない、整頓でなければ…と念じてき
ましたが、実際に整頓に挑戦しても筆者の周囲の企業では、続けるのが大変難しいというの
が実感です。例えば、整頓が目的で「工具の姿置き」を作成して職場に広く整然と並べて、
整頓とは素晴らしいものだ…と悦に入っている間は良いのですが、1か月も経たないうちに
戻る工具が減ってくるのです。そして、1年もすると、飾り物できれいになっているものは
別にして、見るも無残に、工具がまばらに入っているだけの姿置きになっているのにがっく
りしたことが何度もあります。

これが「しつけ」不足によるものだということを理解するのに、だいぶ時間がかかりました。
形から入って精神を修養する…そこまでの形づくりはもちろん、その後の精神づくりも非常に
難しいということを今、痛感しています。ましてや形もつくらないうちに精神を強制するとい
う、“しつけ優先の5S” の弊害も何例も見せいてもらっています。

そのようなことで、ある時から、できるものから段階的に進める、ということで整頓の前に、
比較的簡単にできる整列を思い切って置いてみることにしました。整理と清掃がそこそこに進
み、さらに整列が噛み合ってくるだけでも来訪者が感心してくれるのです。もちろん、多少の
整頓は入ってきますが、それは意図的にというよりは整列の過程で自然に入ってきたレベルの
ものです。やがてはこの経験が整頓を進めるのに役立ってきます。

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