◆4Sはさまざまな効果に結びつく
「4Sは、すべてのものの基礎と言われているほど、その重要性は認識されています…」と言いた
いところですが、本当にそう言っている人の多くが的確にその重要性を知っているとは思えません。
一方で、4Sは職場をきれいにする活動にすぎないと信じている人も少なくありません。そこで
2回目の今回は、4Sから得られるさまざまな効果を見ておきたいと思います。これらの内容は、
やってみて初めて分かることが多いのですが、そこに結びつくということを知っていないと、
活動中に目の前に現れた現象を見逃してしまい、結局はその見逃しが効果のチャンス・ロス(機会
損失)になってしまいます。
これは、後で述べる整理をしながらトレーニングする①眼力と②意思決定の2項目のうちの①眼力
にあたります。
では早速、たくさんある効果の中から、以下に20項目をあげてみます。
① 安全(第一)
② 品質向上
③ 生産性向上
④ 在庫の削減
⑤ 予防保全
⑥ スペースの確保
⑦ 職場環境が磨かれる
⑧ よく見える職場になる
⑨ 仕事が楽しくなる
⑩ 職場のコミュニケーションが良くなる
⑪ 小回りのきく生産
⑫ 全体最適の考え方に結びつく
⑬ 改善力が身につく
⑭ 改善型企業に転換
⑮ 多品種少量生産・短納期・変種変量対応
⑯ 地球環境(CO2削減など)に好影響
⑰ お客様が感心・感動してくれる
⑱ 工場がショールームになる
⑲ 職場・企業の強み・弱みがわかってくる
⑳ 職場・企業の進む方向がわかってくる
4Sを、できるものからしっかりと積み上げていくと、ざっと挙げただけでもこれだけのことに
結びついていくのです。細かく挙げれば、あといくつ出てくるのか…。こう見ていくと、現場の皆
さんたちの、たかが整理・清掃・整頓・清潔の活動が企業を変えていくことさえできるのではな
いかということを察していただけるものと思います。