第8回 現場がすべてを知っている

本当に現場を大事にしているか

このように、現場にはさまざまな問題点があり、その大半においては現場自身の責任は微々
たるものである。しかし、QC活動の小集団活動にしろ、さまざまなムダ取り、勇ましい生産
革新活動にしても、現場で出た問題点は現場で解決して下さい、という姿勢が目立つ。

けれども、現場だけで解決できることは以上の説明からも、ごく狭い範囲のものに限られる
。だから、現場で出たものでも原因を発生させた部署が別であれば、その部署で原因究明そ
して解決ということになっていれば、事情はずいぶんと変わって来る。そうすれば、それら
は応急処理で終わることなくその場限りのことではなくなるので、再発を繰り返すことが少
なくなって来る。

源流管理と真因という言葉がある。これも「トヨタの現場管理」から教えてもらった言葉で
ある。まず、問題点を明らかにして顕在化することが第一条件となる。ちなみに、5Sでキャ
ビネットの扉を捨てて中味を見えるようにする、などというのはこの思想から来ている。
問題があることがわからなければ手も打てない。顕在化して50%、問題がわかれば分析も可
能となる。そして、これも「トヨタの現場管理」のなぜ、なぜ、なぜ、を5回で真因まで遡り、
根本からその問題を断ち切れぱ、再発は防止できることになる。ここまでやって100%となる。

今はこのような時代なので、しっかりした企業はこのようなことはすでにやっているとは思う
が、少なからぬ企業の現場の人たちの不満が多いことから察すると、まだそこまで到達してい
ない企業も多そうだ。ましてや、派遣祉員やパート、アルバイトの人たちに頼らなければなら
ないこの時代に、問題点を的確に判断したり、それをスビーディに伝達したりできるのか、と
いうことさえも心配になる。驚くことに、社員よりも派遣社員やパート、アルバイトの人たち
のほうが実際の問題点をよく知っている、などという現場に遭遇するのも珍しくない。

この現象は、現場が社員以外の人達に委ねられているから当然そうなるのだが、このことなど
は、雇用の実惰などを考えると、職場のコミュニケーションやモチベーションはいかほどかと
思わず心配になるほどである。時代が時代なので、筆者にはこのような雇用形態の良し悪しを
論じる立場にはないが、そうであればあるほどどんな雇用形態の中でも、現場の人たちを生身
の人間として扱っていただきたいと期待してしまう。

人には身もあれば心もある。特に、その心に触れられれば『コミュニケーションやモチベーシ
ョンに大きく影響し、それは現場主義に近づく大きな一歩となるはずである。

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