栃木県足利市の中小企業を中心に、5S実践活動をしています。

  第1回 7つのムダとの遭遇

足利市における5Sへの取組み

本誌「工場管理」ではムダとりというテーマが強くイメージされる。ぱらぱらとめくってみると、
ムダとりが至るところで論じられているからであろう。
ところで、筆者が栃木県足利市で街ぐるみの5Sを展開して11年が経つ。そしてスタートからの
時間の経過は、多くの仲間が段々と増えて来た歴史でもある。

5Sの定義から始まり、その目的、進め方など1からのスタートだったが、最近では多くの皆さん
に見ていただける企業(事業体)も育って来た。スタート時の感触では、ほとんどの企業が5Sと
はただ職場や工場をきれいにするため、少し進んで生産性向上のための方法論という程度の認識で
あり、「かつて取り組んだけれども形骸化した」という企業も多かった。そしてそれらのほぼすべ
ての現場で、「また5Sですか…」と眉をひそめられたものである。

ところで、筆者を足利市に招いてくれた石井機械製作所の石井金吾会長(当時は社長)とは街づく
りのスタート時の6年前(今から17年前)に知り合い、石井氏に3年間の実践体験をしていただけ
たことが、例えば  ”5Sは人と人とをつなげるので、特に人づくりに役立つ”  ということを理解
いただけたのが幸いして、この活動に結びつくことになった。

石井氏には、実体験から、社員はもちろん学校や行政、そしてその延長線上として個人も5Sの対象
であるということを理解していただけた。足利の5Sの街作りの案は、ここから出発したのだ。
さて筆者は、前職も含めた長い活動の中で、5Sという言葉は知っていても、5つのSは何を指すの
か、そのSの個々の定義は、では何のためにやるのか、ということについてまともに答えられない人
にたくさんお会いして来た。

今でも、筆者の周囲にある中小零細企業の人たちだけでなく。大企業時代のかつての仲間や、足利市
へ見学に来てくれる方たちも、そのことを最初にスパっと答えられる人は稀である。そんな状態であ
るにもかかわらず、世間一般では幅広く5S活動が浸透しているかのように思われている。しかし、
そこで取り扱われるムダなるものは何か、そしてムダを誘発する要因がどこから生じるのかを広く認
識している方は、多くはないようである。

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