私たちの身近に観音さまはいっぱいおります。日本中、どこへ行っても観音堂とか観音寺、○○観音安置の寺院が目につきます。それほど、多くの人に慕われた観音さまとはどんな仏さまなのでしょうか。やさしい顔をしていて国宝・重文の像もいっぱいあるのに、不覚にも、その美しさ優しさに見とれてどんな仏様だったのかつい、最近まで全く知らずに来ました。写経で何枚も観音経を書いているうちに、困っている人を誰でもすぐに助けてくれる仏様だとは薄々感じていましたが、もう少し詳しく知りたいと思って今回取り上げてみました。どうして国宝級の観音像がいっぱいあるのか、何故、あの像たちは人の心をぎゅっと掴むのか、何故、何百年も慕われ守られ続けて来たのか、少しは分かるとよいのですが…。

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かんのんさま

ネットからの引用 観世音菩薩……世の出来事を「自在に観るもの」という意味の原語を訳して、「観世音」または「観自在」という。また、またこの章で具体的に示される様々な姿が33種類に数えられるところから、33観音の信仰が生まれ、各地に観音札所が作られた。33観音霊場という訳です。33観音とは、楊柳ようりゅう・竜頭りゅうず・持経じきょう・円光・游戯ゆげ・白衣びゃくえ・蓮臥れんが・滝見たきみ・施薬・魚籃ぎょらん・徳王・水月すいげつ・一葉・青頸しょうきょう・威徳・延命・衆宝しゅほう・岩戸いわと・能静のうじょう・阿耨あのく・阿摩提あまだい・葉衣ようえ・瑠璃・多羅尊・蛤蜊はきぐり・六時・普悲・馬郎婦めろうふ・合唱・一如いちにょ・不二・持蓮じれん・灑水しゃすいの33体だそうです。 他に真言系の聖観音・十一面観音・千手観音・如意輪観音・馬頭観音・准胝観音 天台系の不空羂策観音を加えた7観音、法隆寺の救世観音、百済観音、夢違観音 九面観音 などが拾えました。

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では次に100分で名著から「観世音菩薩普門品」第二十五の解説を引用してみます。
「観世音菩薩普門品」第二十五が説く内容です。「観世音菩薩普門品」第二十五は、現世利益の最たるものです。民衆を取り込むために、「観音菩薩」の名を呼ぶだけでこんなご利益がありますよ、ということを語っています
例えば、大火の中に落ちても火傷をしない、死刑判決を受けても死刑執行人の剣が粉々に砕ける、財宝を運ぶ隊商は盗賊の恐怖から解放される、男子誕生を願う女性には男子が、女子誕生を願う女性には女子が生まれる、などなど。これは、ただ観音様のご利益であって、「「法華経」を読めばこうなる」とは一言も書いてありません。法華経を信仰することとは関係なく作られたものが「法華経」に取り込まれたのが読み取れます。

 因みに中国ではこの「観世音菩薩普門品」が特に注目されました。それは、「男子誕生を願えば男子が生まれる」とあるからです。男系の先祖崇拝をする中国では、男の子を産まないことは親不孝の最たるものとされていました。
結婚して3年たっても男の子を産まない女性は離縁されました。そのため、多くの人がこの菩薩を信仰したのです。このように、法華経という原型部分よりも追加部分の方に注目が集まり、人々の間で原型部分の教えが注目されることはほとんどなかったという不幸な面も「法華経」にはありました。

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エナガ

今のように科学が発達していなかった時代の人々救済に宗教が大きく作用したことは良く分かります。神にもすがりたい時というのは今でも誰にでもありそうです。でも、昔からみれば、経済が人々の救済に大きく寄与しているし、医学の役割も考えられなく大きく貢献しています。メディアで情報が何でも即座に伝わり、曖昧模糊とした不安は相当に薄くなって来ました。

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円空像

 

これらは私たちの判断に、知らず知らずの内にすごく影響しています。従って、法華経やその中の観音経のような宗教の役割は必然的に小さくなって来ているのだと思います。でも、人間の格差や、病気が違った形で現れるし、寿命は延びたとは言え「死」の恐怖は先延ばしになっただけのような気もします。仏教で唱える「生」「老」「病」「死」の四苦やさらに4つを加えた「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五陰盛苦」の八苦は決してなくなったわけではありません。形を変えて、もしかしたらもっと増幅されて残っているようにも思われます。もっともっとと働き続けて、物質的に豊かになって来たのにいつも何かに追われている毎日です。誰かが言っていました。「便利は忙しい…」。私たちは何にどこへ向かってそんなに急ぐのでしょうか。
もう少しゆっくりとじっくりと落ち着いて考えて、人間の本質を考えながら仕事もできないものなのでしょうか。5Sもそうですが、法華経・観音経などもほんの少しかもしれませんが、そんなことを考える時間を与えてくれます。益々忙しい毎日の中で、時々は、こんな時間を持つことも大事なことのようです。