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ブルーベリー

 トヨタ生産方式の基本的な考え方を知るには、「トヨタの現場管理」に記載されているトヨタ生産方式の体系図を理解すると良い。下図はその体系図である。私なりにその体系図を読んでみると、まずは一番頭にある“低成長の経済のもとでの利益拡大化”に注目したい。前回に引き続き繰り返すが、この本は高度経済成長の時代に書かれたものである。それが長い歳月を経て現在に至っている訳であるが、今はまさに低成長かゼロかマイナス成長の時代の真っただ中にある。この背景をまずはしっかり確認しておきたい。

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スズラン

その次は…まっすぐ下がって”ムダの徹底的排除による利益増大化”⇒在庫量の削減⇒需要変動に適応可能な生産数量の管理⇒ジャスト・インタイム生産かんばん方式⇒生産の平準化⇒生産リードタイムの短縮⇒①小ロット生産⇒段取り時間の短縮②同期化ラインのもとでの1個流れ生産⇒機械レイアウト・多能工・標準作業の設定へと下がって行く。

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シャガ

もう1つの流れが、収益の拡大⇒全社的QC⇒①品質保証⇒自働化②機能別管理であり、もう1つの流れが作業者数の削減⇒小人化(作業者数の弾力化)⇒機械レイアウト・多能工・標準作業の設定ということになり、人間性の尊重⇒作業者のモラールの向上がこれに付加されると読みとれる。そして、これを支えるのが小集団による改善活動としてあらわされている。

taikeizu

この体系化が出来ているからトヨタではトヨタ生産方式が成り立つているのであって、あちこちでかんばん方式は入れたけれども失敗していると言われるのは、この体系図の中にある小項目を単発的にやっているからだと思われる。

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キビタキ

例えば、自働化のない品質管理で品質不良が頻繁に起こるならば、ジャスト・インタイムはそれだけでできなくなる。標準作業や多能工なども、まさにトヨタ生産方式⇒ジャスト・インタイムを確実にさせるための1要素であり、しかもその1つが崩れてもジャスト・インタイムは入口にさえ立てないのであろう。

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ゴジュウカラ

実は、私はトヨタ生産方式の構築に取り組んだ経験がない。トヨタの現場管理を中心にした関連本で机上・耳学問で学んだだけである。だから、このような論評をすることは不遜だと思いつつ、世の中にはそれでもトヨタ生産方式の1部でも学んだ方が良い企業・事業体が数え切れないほどあるので恥を知りつつ、人生の流れの中でこんなことをやらせて貰っている。私とおつきあいする場合は、そのことを断りながら、いたずらにトヨタ生産方式に挑戦しないで下さい、とお伝えしながら、諸悪の根源である在庫の扱いを知って貰ったり、悪さ加減を表に出したりする自働化の基になる考え方などを説明して回っている。それだけでも格段に良い職場ができるのだが、この体系化を知りながら、個々の項目を知ることが出来れば、格段と個々の項目が生きて来る。今回はそのようなことをお伝えする意味で「トヨタ生産方式の体系図」を取り上げてみた。何をいまさら…という方も多いと思うのだが、そのような方にももう一度、この体系図をトレースしていただけたら幸いである。