原田伊織さんという方が書いた、「明治維新という過ち」という本を読んでみました。
明治維新の歴史は勝てば官軍という言葉が示す通り、勝った側の明治政府側からの一方的な歴史観から表されていますが、当然のこととして負けた側から見た歴史観もある訳です。
70を過ぎるこの年まで、そんなことには無頓着で過ごして来ましたが、改めてこの本を読んでみると自分がいかに無知であるか、また、
あったかを思い知らされます。足利の5Sは真理を追究するなどと言いながら、世の中のことなど何も分かっちゃいないじゃないかと打ちのめさせられます。

 あの有名な坂本竜馬は、どうもイギリスなどの片棒をかついで、徳川幕府という当時の政府を転覆する役割の一端を演じただけのようですし、吉田松陰は反対する者は殺してしまえというテロリストレベルの活動をやっていたようです。このテロリストの一団が薩摩であり長州であり、勝つことには何でもありの末に見事に勝って官軍に収まり、無名に近かった松陰を、後に革命を精神的にリードした人としてあの位置に押し上げたというのが自然な見方のようです。高杉晋作は、伊藤博文は、西郷隆盛は、と挙げていけば行くほどそこに触れるのが辛くなります。特に戊辰戦争で信義を尽くした会津藩の最後は、絶句せずには読めません。何が正義で何が不正義なのか、まったく分からなくなります。(勝つためには何でもあり…今の時代そのもののように感じます)

 最近はこの種の本も身近にあって手に入るようになりました。でも、もし読みたいという意思がなければ書店でこれを手にすることもなかっただろうし、明治維新はどうもおかしかったぞ、という予備の知識がなかったならばこれも素直には読めずに、なんだこの本は、と批判的な立場で途中で放り出していたかもしれません。テレビや新聞、小説に出て来る歴史は、どうも史実を忠実に表しているものは少ないぞと思う中で、読む側の私の知識も乏しく、深く追求する熱意も薄いのでなかなか歴史を読み解けないでいたのですが、この本の裏付けある内容には納得をして読み進むことができました。本人の主観なので正しい、正しくないは別にして、是非、一人でも多くの皆さんに読んでいただきたい本です。何か、この本には真理を追究するためのヒントが沢山詰まっていそうなので紹介させていただきました。

最後に、この本の最後のページに書いてある文を引用してみます。
私たちは勘違いをしていないか。
「新時代」「近代」と、時代が下がることがより「正義」に近づくことだと錯覚していないか。「近代」と「西欧文明」を、自分たちの「幸せ観」に照らして正しく位置付けているか。そして、「近代」は「近世=江戸時代」より文明度の高い時代だと誤解していないか。
今、私たちは、長州・薩摩政権の書いた歴史を物差しとして時間軸を引いている。そもそもこの物差しが狂っていることに、いい加減に気がつくべきであろう。その為には、幕末動乱以降の出来事をすべてそのまま、飾り立てなく隠すこともなく、正直にテーブルの上に並べてみるべきであろう。本書の願いは、その一点に尽きることを改めてお伝えして、ひとまず筆を置きたい。(裏も見る。そこに真実があるかもしれません。いつも必要な姿勢です)