1005Sが上手く行かない最も多い例はやらせやらされの5Sです。言い換えますと、5番目のしつけを一番最初に持って来たというか、しつけの勘違いということになるのでしょうか。私が13年前に足利で5Sを始めた時には、ほとんどの所が中小企業ですが、このやり方で挫折をしていました。どこへ行っても「また5Sですか、勘弁して下さいよ」とケンモホロロの状況でした。指導者が絶対的な力を持っていて、私の言う通りにやって下さい…というスタイルでした。その企業の実力などはお構いなしに、ハゥトゥ本に書かれた内容をどことかまわず一様に適用して、できなければやらない方が悪いのだ、という指導方法でした。百社百様なのに…。

120最も、大企業の数10年間でも同じような経験をしました。当時のコンサルタントの先生は神のように崇められて、その指導内容に対しては絶対にさからってはいけない雰囲気が醸し出されていました。先生が悪いのか、先生を崇めたて祭ってそのようにした当時の大企業の方たちが悪いのかは問わないことにしますが、双方に時代の流れの勘違いがあったように思われます。それにしても、根は優秀な人材を沢山抱えていた大企業の方たちの判断力が鈍っていた事は間違いないようです。その先生たちが大企業の優秀な方たちを相手にして、日本中で活躍していたので、あながち、私の周囲で起こっていただけではないようです。
103また、ISOマネジメントシステムでは、高度経済成長が弾けて人が余り始めた時期に、決して実務に精通していないその方たちが指導者の葵の印籠を貰って、次から次へとシステムの拡販に繰り出しました。この方たちは、応用力が弱いけれども記憶力が良くてマニュアルに忠実な方たちが多かったようです。ISOシステムの拡販には最適な方たちだったのでしょうね。結果、マニュアルに忠実になったかどうかは別にして、それに近いシステムが、現場を強くせずに(これは私の判断です)次から次へと導入されて行きました。システムには理想的な、実現すれば良い事が沢山書かれていますが、整合性・整合性と言えば言うほど現場の実務は支障をきたしていたように見えました。それは現場のやる気の問題だと一蹴されてさらに現場は攻められて複雑になって行ったように見えます。現場は困り果てていたのに、スタッフはさらにもっと…となりとても見るに耐えませんでした。システム以前に、スリムにスリムにを心がければ、ISOシステムの目指すところはもっと早いのにといつも思っていました。最も、この冷めた目が、私が大企業では使われなかった最大の理由だったのですが…。
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著名な神様のような先生たち、大量生産時代から多品種少量生産時代への変化の時に、指導者に転じた大企業の優秀な方たち、何れも先生の立場から上から目線でシステム作りに従事していた所は共通です。その指導を受ける側の方たちもそれの是非を判断できているのかしないのか、それに甘んじていたのも共通です。ここにやらせやらされの縮図が見られるような気がします。同じようなことが、スタッフとラインでも起こっていたことを申し添えます。

さて、話を元に戻しますが、5Sでも、このやらせやらされの弊害が最も大きく感じられます。なぜ5Sは上手くいかないのですか…よくある質問です。結構、多くの人が分かっているのではないかと思いますが、上からのプレッシャー、組織があるだけでもプレッシャーになりますが…。それが払拭されて何でも話しあえる職場になって来ると、きっとこの質問も内容が変わってくるのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。