IMG_1405これから5Sが何故うまくいかないのかを何回かに分けて書いてみます。1回目は進める時の順序が大事だということを取り上げてみます。
ところで、足利の5Sは整理・整頓・清掃の順序ではなくて整理・清掃・整頓の順序であることは再三再四述べて来ましたが、この順序が決定的なほど大事です。整理とは、要るものと要らないものを分けて要らないものを捨てることでしたね。分ける作業と捨てる作業があるわけです。分けるのも難しいけれども、捨てるのもそれに劣らず難しいのですが、難しいのでこの作業がつい中途半端になり、要らないものが沢山残ります。そしてこの段階で整頓に入ったり清掃したりすると…要らないことに多大な時間を費やすことになりますので、この位でいいやという事で中途半端になります。スタートが中途半端になれば5Sそのものが中途半端になります。だから、まず1番目に要らないものを整理する。それも徹底して捨てる。ここが肝心です。その過程でゴミやホコリが出ます。

足利5S

つまり、最初に整理と清掃が伴いますが、整理という行動で清掃が伴うので1番目が整理、2番目が清掃…この場合は初期清掃となります。その作業がかなり進んだところで3番目に整頓となれば不要なことに多大な時間をかけることがなくなります。toch_b

整理・清掃・整頓に劣らず勘違いされているのが間違ったトップダウンによるしつけ優先の5Sです。しつけは人に関するテーマなので、まず人から変えようという考え方を持つ方が相当に多いのが事実です。13年前に足利へ来た時には「勘弁してくださいよ、また5Sですか」という企業がほとんどでした。始めの5年間ほどは、それをひっくり返す歴史だったように覚えています。決め事も作らないか中途半端なのに、トップダウンであれもやれ、これもやれ…となります。精神論的な内容になります。やらされる方はたまったものではないのでやったふりをします。これで典型的なやらせやらされの構図が出来上がり、実際に、てこでも動かない状況が出来上がります。誰が5Sの項目を決めてしつけを5番目に持って来たのかわかりませんが、5番目に置いたことに感服です。本例は5番目が1番目に来た最悪の例ですが(素晴らしい経営者と従業員の関係で、時折り機能する場合もあります)5番目は5番目に置きたいものです。

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もう1つ、気になる勘違いがあります。5S3定という言葉です。この言葉は5Sの中で定品・定置・定量…つまり整頓が最も大事だと読みとられます。だから5Sと称して整理も清掃もそっちのけで整頓を最初に手掛けます。モノがあふれた中で位置を決めても邪魔になるだけで益々活用スペースも狭くなり、きれいにもならないし生産性も落ちかねません。安全も品質も似たようなものです。なんとなくそれに気づいてなんとなく消えることになりますが、以前よりレイアウトなどが複雑になって後退していたなどということにもなり兼ねません。このことは3番目が一番目に来た例です。

063-Rさらにもう1つ。5Sの5つの項目も原因系の整理・清掃・整頓と結果系の清潔・しつけの2つに分けられます。原因系の整理・清掃・整頓を進めて行くと清潔・しつけの多くはその結果生まれて来ます。だから清潔・しつけは観念的に持っていて実際に具体的に手をかけるのは整理・清掃・整頓の3Sだということが合理的になります。このように見てみると4番目に清潔、最も重要だけれども人に関することなので安易にせめてはいけないしつけはやはり5番目という順序が良いようです。

足利の5Sの整理・清掃・整頓の順序を間違っている、と指摘されることもあります。しかし、この順番の合理性は、長い5Sの実践による経験から確証されています。アレッと思った方は騙されたと思って、狭い範囲に限定して体験してみて下さい。きっと合理的だと思われると思います。