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ウグイス

今回は5Sの本質をしっかり見据えるために5SのSに注目して話を進めたいと思います。もう皆さんご存知のように5SのSは、整理・整頓・清掃・清潔・躾のそれぞれのローマ字の頭文字をとって5Sと言っているのですよね。先にこのブログでも触れた「5Sの歴史」のように、この日本語の組み合わせは絶妙な表現力になっています。ところで、至るところで行われている5Sには様々な切り口の活動があって混乱の極みさえ感じられます。そのような活動の中で見られる様々なSも取り上げて、本来の5Sと比べてみるだけでも5Sの本質が垣間見られるので、まずは頭に浮かんで来るものだけでも並べてみることにしました。
習慣・節約・整列・殺菌・洗浄・セーフティ・スピード・サービス・システム・ スリム・シンプル・スキルアップ・シンクロナイズ・斉唱・斉動・しっかり・
しつこく・スマイル の18個が新たに加わりましたが、ネットの中で45Sの展開をしているという企業もありましたので、まだ、ここで挙げた項目の倍以上のSがあることになります。そんなに沢山のことに集中できますか? 項目が多くなればなるほど集中力が散漫になり力が分散しかねないので普通ならば5Sで十分だという所でしょうか。
ところで、ものごとには何かを変えるために取り組む項目と、取り組んだ結果として得られるものがあります。5Sをそういう目で見てみると、整理・整頓・清掃が何かを変えるためにとられる行動となり、清潔・躾は整理・整頓・清掃の3Sを進めて行くとその結果生じて来るものではないかと思われます。一見、躾で精神力を鍛えてから3Sをその精神力で推進していくと活動が上手く行くと思っている方も多数おられますが、躾優先の5Sで失敗した活動例を沢山見ていると躾の精神力優先の5Sは一考した方が良さそうです。反面、3Sをきちんとやると躾が備わって、備われば2Sと3Sがスパイラルして進んで更なるレベルアップが図れます。やらせやらされの5Sはどうも、この躾優先の典型的な例ではないでしょうか。

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サクラ

そして、これらの項目に取りくんだ結果として得られる効果の最たるものに「儲け」があります。適切なマーケティングや良い商品開発、品質、コスト、納期、デリバリーなどの展開があって初めて儲けが得られると思うのですがいかがなものでしょうか。高度経済成長時代の作れば売れた時代の時には見えにくかった関係ですが、その時でも儲けに至るプロセスを知って行動していたらもっと儲かっていただろうにということは想像に難くありません。ましてや低成長のこの時代に…というところでしょうか。因みに私は、5Sはマーケティングや商品開発、品質、コスト、納期、デリバリーやその他の様々な企業活動をより上手に作用させるためのマネジメントに相当するものではないかと思っています。

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ヒガン桜

ところで5S活動にも1Sで良い、いや2Sだ、いやいや3Sですよから始まって4S,4S+1S,5S,6S,7S,8S 凄いものになると45Sなどというのもあります。これでは混乱しますよね。では、この混乱を避けるのにはどうしたら良いでしょうか。それにはまず基本的な考え方をしっかりと捉えて、さらに自分のところの活動をどう進めたらよいかということで5S+-を位置づけて行ったら良いのではないかと思います。次回には5Sをやるとその結果として得られる効果について述べてみるつもりですが、これから活動に取り組む皆さんは、どのような効果を求めるのかで○○Sに絞られたらいかがかと思います。また、以下に基本的な5Sの考え方を述べてみますのでこれも参考にしてください。まず1Sですが、この場合は整理か清掃になる筈です。私は整理をお薦めしますが、何れにしても最初はこの2つがスパイラルをしながら活動が進みます。まず整理からの場合です。整理とは要らないものを捨てることです。この捨てる過程で当然ゴミが出たり、汚れた部分が表出します。普通ならばこのゴミや汚れを取り除くでしょう。だから整理と清掃が一緒に進むことになります。因みに、この場合のレベルの清掃は初期清掃と位置付けられます。この活動を続けて行くと、作業場全体が段々と必要なものに絞られて来ます。このどこかの時点で、ただきれいに並べるという整列に注目します。整理して清掃・整列するだけでも探すムダなどは随分と減ります。そして、かなり進んだ所で整頓に注目しましょう。もし、整理をやらずに清掃や整頓に手をつけたら…と考えると、不要なものを清掃したり整頓をしたりすることになります。特に整頓が先になると整頓したモノが邪魔になったり探したり移動したり、挙句の果てには整頓そのものに不信感を持つことになります。5S3定と称して整頓優先で挫折する例が少なくないのはこのような理由があるからです。 次に清掃が1番目に来る場合です。この場合は、清掃が中心になりますが多くは整理が同時に行われています。でも、整理はついでですから要らないものを整理する度合いは低くなります。こう考えるとやはり、整理を先にした方がムダが少ないように思えます。

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モズ

次に整頓ですが、整理が概ね済んだタイミングで整頓に入ると良いでしょう。3定(定品・定置・定量)は正に整頓そのものです。必要なものが(必要なだけ)いつでも取り出せる、そして戻せることが整頓ですが、不要なモノが沢山あったらそうは行きません。また、全てのモノにキャスターを、という言葉があるようにキャスターを考えた整頓であれば清掃もしやすくなります。整頓は位置を決めたり、取りやすくしたり、戻せる工夫をしたり、と考えるというパーセンテージも高くなります。だから、やさしくて効果のある整理から始めて清掃(初期清掃⇒点検清掃⇒保全清掃)そして整頓というのがリーズナブルな進め方だと思います。しかも、効果としては整理・初期清掃だけで5Sの70%ほどは済んでしまうのではないかと思われるほどです。それに整頓まで完璧に近い所までできれば、当然、3Sを守る清潔は守れる力がつくし、決められたことを守るという躾も容易にできるレベルになっている筈です。

そうは言いながらももう少し清潔と躾について述べてみます。5Sの定義からすると清潔は3Sを維持するということになりますが、ならばしっかりと3Sをやれば良いだけのことだす。3Sが出来ないから清潔で3Sを活発化するというのであれば、3Sの進め方をより具体化をしてみんながやりやすい環境を作ってやることの方が先決だと思いますがいかがなものでしょうか。さらに躾ですが、決められたことをきちんと守るとなります。ところで、その決め事は3Sを進める中で作られる場合が圧倒的に多い筈です。そもそも決め事がなければ…決められたことを…、が絵空事になります。また、3Sの外で作る決め事は現場から遊離する心配もあります。心したいものです。 また、決められたことがないと何もできない、そして決めてないことを理由にやらないということも少なくありません。さらに今は決められた通りにやっていれば良い、という時代ではなくなっています。決められた事も常に改変し、新しい決め事を常に作り変えて行く姿勢も求められています。この辺のこともはっきりとしておきたいものです。整理にあっても捨てる基準がないから捨てられない、という言葉が良く出てきます。捨てて行けば行く先々の過程で基準は変わってきます。それをいちいち決めていたのでは仕事になりません。

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ヤシオツツジ

さて、整理では意思決定による決断が大事です。それは勇気で決定づけられます。言い換えれば、整理は決断力を養うためのツールとなります。ところで5Sはモノを対象にした活動ですが、モノを変えることによりコトが変わり、コトが高じればシステムが変わります。さらには美しくとか感動などのココロまでもが影響されます。般若心経というか仏教の中に、人間の真理を追究したものに眼耳鼻舌身意…これに対して見る、聴く、嗅ぐ、味わう、触れる、思う…という6感の見方があります。見える化だけでなく、音や臭いや甘い辛いや触覚、さらには頭で異常や感激などをも研ぎ澄ますこともできます。既に何千年も前に考えられていた事のようですが、文明・科学の発展によって人間のそれ等の力が退化しつつあるように思えます。これは大変なことのように思われますがいかがなものでしょうか。

最初の○○Sに戻りましょう。5つのSは過不足なく凄い組み合わせになりました。習慣や節約などは既に5Sのどこかに入っています。洗浄・殺菌は食品の7Sですが、これは高度な清掃とも考えられます。セーフティ(安全)や節約などは5Sいや3Sの結果と言って良いでしょう。しっかり・しつこく・斉唱・斉動などはまともな活動をやっていれば言わずもがなということになります。Sの言葉外ですが、儲かるや売上アップなども3Sをしっかりやっていれば結果として得られるものだとも思います。こう見て来ると、整理次に清掃・整頓・清潔・躾の順序であり、5Sの本質はその中でも3Sではないかと思われます。今回は少し長くなりましたのでこの辺で…。舌足らずの言葉不足はお許し下さい。

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ポピーとサクラ