IMG_1409 1月8日に富士山を眺めに行ってきました。笠雲がかかっていて天気は下り坂…と思いきや、夕方には雲は乱れて、暗くなったら星が見えて来ました。そして翌日は快晴でした。また、今年は、元旦からずっと良い日が続いているそうです。
 今回もドラッカー博士の書籍に教えていただいた、わたくしの5Sの考え方の基になっているものを紹介致します。前回は「ゼロ成長時代の経営の心得」の一節を紹介しましたが、今回は「景気循環を迂回する」という内容です。わたくしは、何十年もの間、今年の景気は、来年のそれは、そして将来は…ということを言い聞かされて来ました。そして、ほとんどの企業や団体がそれを探ろうと汲々としています。ところが、この一節に会ってからそのことがいかに虚しいことかということを思いしらされました。しかも、これが出版されたのが1954年というのが、また驚きです。「現代の経営」…訳者・上田惇生氏によるあとがきによれば、経営学の最高の古典であり、経営の原点、経営の常識であるとあります。経営には時代の流れとともに急激に変化していく部分と、時代がどう変わろうとも変化しようのない基本の部分があり、本書はその基本の部分を明らかにした名著であるとも言っています。経営の経験のない私ごときには仲々理解し難い内容が多いのですが、我慢して読み進んでいくと、なるほどということが随所に詰まっており、さらに読み返す度に新しい発見がある本です。(理解度が低ければ低いほど、この新しい発見は多いようですが…。)なぜ5Sをやるのか、なぜ5Sが大事なのかということも変化しない基本の部分…というところからだけでも読み解けそうな気がします。本ブログを目にした方には、ぜひ機会を作って、本書本文を読んでいただきたいと思います。では本文に移ります。
 いかなる事業も、より大きな経済的状況の一部として存在する。したがって、いかなる事業計画も経済情勢を無視することはできない。
しかし、マネジメントが要求するものは、通常の意味における景気予測ではない。明日の景気を予想し、3年、5年、あるいは10年後の経営循環を予想する景気循環ではない。必要なのは、景気循環への依存から自らの思考と計画を切り離してくれる手法である。ーー中略ーー現在は景気循環のいかなる段階にあるのか、誰が知っているのか。経済学者の予測の的中率は高くない。しかも、景気予測が正しく行われるならば、そもそも景気循環に注意せよという助言に意味がなくなる。
もし皆がこの助言に従うならば、そもそも好不況がなくなる。
そのような助言に従うことが心理的に不可能だからこそ、極端な景気循環が起こる。好況時には、だれもが今度こそ景気に天井はないと信ずる。逆に不況時には、誰もが今度こそ景気回復は望めず、景気回復は悪くなる一方であり、あるいは底にへばりついたままであるに違いないと思い込む。
企業人は景気循環に焦点を合わせているかぎり、景気循環の心理に支配される。いかに優れた意図を持ち、経済学のいかに優れた分析能力を利用しても、間違った決定を行うことになる。ーー中略ーー したがって、事業のマネジメントにとって必要なものは、経済がいかなる段階にあるかを考える必要なしに、決定を行えるようにしてくれる手法である。循環して起こる経済変動に関わりなく、3年以上あるいは7年以上にわたって計画し発展していくことを可能にしてくれる手法である。

テレビでも新聞でも、いつでも景気の話で持ち切りです。上の文章はそこから切り離した思考をしなさいと言っているのだと思いますが、これだけでも180度違ったものの見方になります。この後に、ではそのためにはどう思考したらよいのかということを「意思決定のための3つの手法」というタイトルで教えてくれています。少々長くなったので、こちらは次回に…ということで一先ず今回はクローズにします。中略やぶち切れで恐縮なのですが、興味をもたれた方は、ぜひ、「現代の経営」を読んでみて下さい。その他にも、真摯に向き合うとぎょっとすることが数え切れないほど詰まっています。
ところで、足利の5Sでは、ハゥトゥよりも、考えることを奨励しています。中小企業の、本など読んだことがないという現場の人たちにも、比較的理解しやすいドラッカー博士の「仕事の哲学」などを提示したりしています。「仕事の哲学」のあとがきにこうあります。ほとんどの人がドラッカーの書いたものに線を引く。人によっては手帳に写す。そして、何年どころか何十年にわたってそこを読む。ドラッカーの魅力は、教えてくれることだけにあるのではない。確認してくれることにある。考えさせ、行動させてくれるところにある。この文章から得られた「考働する集団」…これを実現するのが足利5Sの大きなテーマでもあります。5Sのダメ元精神で挑戦し続けたいと思っています。